2021年
7月
21日
|
11:16
Europe/Amsterdam

動的ストレッチとその重要性

読書時間: 3 分

ストレッチというと、通常は静かにゆっくりと行うものを思い浮かべることでしょう。

主に運動の最後にクールダウンの一環として行う静的ストレッチは、静止に近い姿勢で一定時間かけて体の一部を動かしながらゆっくりと伸ばしていくものです。

動的(ダイナミック)ストレッチは、運動の最後ではなく最初によく行われています。通常の可動域を超えない範囲で徐々に体を伸ばしていくのですが、静的ストレッチとは異なり、体を大きく動かして力を入れる必要があります。動的ストレッチは軟部組織の端から端まで働きかけますが、目一杯伸ばしたままで一定時間保持するのではなく、ほんの少しだけ静止した後に筋肉と腱に力を込めて、伸ばした筋肉を収縮させていきます。

動的ストレッチを行うタイミング

動的ストレッチの目的は体を動かすことです。たいていは準備運動として、それに続く運動の動きを模倣します。例えばサッカー選手であれば、サッカーボールを蹴る動作を模して、足を前後に振る動作を連続して行います。また、水泳選手はプールに入る前に腕をぐるぐると回して腕の筋肉を温めたりします。

重量挙げの前に動的ストレッチを行うと、静的ストレッチを行った場合や全くストレッチを行わなかった場合よりも、脚の伸展力が向上してパフォーマンスが高まる、という研究結果があります。 1 また、他の研究でも、サッカー選手、バスケットボール選手、スプリンターなど走ったり跳んだりするスポーツをしている選手にも動的ストレッチが有効であることが示されています。 2

動的ストレッチの例

動的トレッチには様々なやり方がありますが、経験や器具を必要とせず、誰でも簡単に実践できる方法をいくつかご紹介しましょう。

腕回し

腕や肩の筋肉を温めておきたい場合は、立って腕を伸ばし、大きな円を描くように腕を前方へ回します。5~10回行ったら、いったん停止して方向を変え、腕を後方へ回す動作を繰り返します。

脚振り

片足立ちでバランスをとりながら、浮かせた脚を前後に振ります。必要であれば、壁や椅子につかまって体を支えても構いません。5~10回繰り返した後、振った足を床に下ろし、反対側の足を振ります。さらに脚を左右に振る動作もすると、足腰のあらゆる筋肉を伸ばすことができます。

脊椎の回旋

両足を肩幅ほどに開いて立ち、肩の高さで両腕を横に伸ばします。体幹をなるべく動かさないようにして、ゆっくりと上半身を左右にひねります。これを5~10回繰り返します。

ランジで歩く

前方にスペースがあることを確認して、片足を大きく前に出し、反対側の膝を落としてランジの姿勢をとります。前に出した足で立ち上がり、後ろから引き寄せた足を大きく前へ踏み出します。これを繰り返します。後方や左右に移動する動きもやってみましょう。

動的ストレッチを運動に取り入れて

動的ストレッチは、運動のもたらす健康効果を引き出す方法のひとつとして利用できます。筋肉を温めて負傷のリスクを減らすのは重要です。 3 ただし、急にやりすぎないこと、伸ばしすぎないことも大切です。やり方がよく分からない場合は、ヨガやピラティスの講師やパーソナルトレーナーに相談すると、正しいフォームを維持する方法を教えてもらえます。動的ストレッチは、痛みを感じない範囲でしっかりと動かすのがポイントです。痛みを感じたら伸ばし過ぎの可能性があるので、それ以上はやらないようにしましょう。

  1. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29063454/ []
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3273886/ []
  3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3737866/ []

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