2024年
1月
17日
|
17:26
Europe/Amsterdam

フィットネスの基本

読書時間: 4 分

アクティブな生活を支える柱とは…

アクティブでいるためにできることと言えば、ウォーキング、ランニング、サイクリングなど、手足を動かし心拍数を上げる方法が思い浮かぶでしょう。

ところが、私たちのすべての動作を支えている縁の下の力持ちについては、あまり考えることはありません。何か問題が生じて初めてその存在に気づく、ということも珍しくないようですが、フィットネスにおいて背中がどれほど影響力のある存在かをきちんと理解すれば、アクティブに体を動かす上でプラスになります。1

基本情報

筋肉、関節、体の柔軟性がオーケストラの奏者だと考えると、指揮者となるのは背骨(脊柱)です。全身の各部位を支えて姿勢を保つにも、様々な方向に動かすにも、脊柱が不可欠です。脊柱は33個の骨(椎骨)から成り、その間に衝撃を吸収する椎間板があります。
首の椎骨(頚椎)と腰の椎骨(腰椎)は異なる形状をしています。下部の椎骨は上半身のほぼ全体を支えているので、大きく強いのですが、首の椎骨は頭のみを支えています。興味深いことに、動かす方向を決定するのは椎骨の形状です。小さい椎骨が並ぶ首は、脊椎下部よりもはるかに自由に動きます。

鎖状につながる椎骨と椎間板は、多くの筋肉、腱、靭帯によって支えられており、これらが強度と安定性をもたらします。筋肉と骨は腱でつながっています。筋肉が収縮すると、それによって生じる力は腱を介して骨格系に伝わり、特定の体の部位を動かす仕組みになっています。靭帯は関節を安定させるだけでなく、関節が動くたびに伸びたり縮んだりする柔軟性もあります。

「指揮者」として機能する脊柱は、非常に繊細に、かつ相互に連動するよう交響曲を奏でなければなりません。背骨がなければ、私たちは活動するどころか、まったく動くことができません。

適切なケアで大切に

腰から首にかけての背部に痛みを感じたことのある人は多いでしょう。少しばかり腰が痛むのは誰にでもよくあることですが、人によってはひどい痛みに悩む場合もあります。軽い痛みが走るにしろ、ライフスタイルを制限せざるを得ないほどの痛みにしろ、腰痛の原因を理解し、回避するためにできることは知っておきたいものです。2 実際、重大な事故やけがによる腰痛はむしろ少なく、大抵はライフスタイル上の要因の積み重ねによって引き起こされています。背中を丸めて携帯電話の画面を読んだり、コンピューターに向かって前かがみになったり、このような日常の習慣が脊椎や周囲の筋肉に負担をかけていると考えられます。このような悪い習慣を繰り返し続けると、困った症状につながりかねません。 それでも、よくある腰痛を予防するためにできることはたくさんあります。ちょっとした工夫を取り入れてみましょう。

じっと座っている – コンピューターに向かって一日中前かがみの姿勢でいることは、背中にとって最悪なことの1つです。体を動かさないママでいると関節や脊椎を弱めることになり、体に影響が及びます。

解決策:1時間に1回、立ち上がって2分ほど歩き回ってみましょう。立ち上がれば背骨が本来の位置に戻ろうとするので、座っている時の姿勢を改善することもできます。

スマートフォンを凝視 – 携帯電話やラップトップを見る時の頭を下に向けた姿勢は、首の筋肉に大きな負担をかけます。その影響は背骨や腰まで及ぶことがあります。3

解決策:画面に向かうのを小まめに中断し、画面を見下ろすのではなく、まっすぐ前を見るようにしましょう。

ストレス – プレッシャーを感じると、背中の筋肉が緊張します。ストレスはまた、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌量を急上昇させて体内の炎症を引き起こし、問題を悪化させます。

解決策:最新の研究によると、ウォーキングやヨガなどの緩やかな運動は、腰痛を和らげるのに非常に効果的なことが分かっています。屋外に出るとストレスが軽減されることも証明されています。毎日15分の散歩だけでも効果があります。

くしゃみ – くしゃみが腰痛の原因として上位5つ以内に入っていることはご存知ですか。くしゃみが出る時は時速160キロに相当する勢いがあるため、その圧力だけでむち打ち症になったり、背中と首の両方に痛みを引き起こしたりする可能性があります。

解決策:くしゃみが出そうになったら、膝を曲げて背骨ではなく下肢で力を吸収するようにします。あるいは、可能であれば(くしゃみが出る時の場所にもよりますが)、くしゃみをする瞬間に背中が丸まらないように、どこかにつかまって体を支えるか、体の向きを変えるのも有効です。
喫煙 – 体の構造上、重要な機能の1つは酸素と栄養素を運ぶ血流です。研究者は、喫煙により関節や筋肉への栄養素の流れが減少すると、腰の組織に損傷が生じることを発見しました。

解決策:禁煙はもちろん難しいことですが、支援があれば達成できます。医師や看護師と話しをして、禁煙外来のあるクリニックへ登録してみましょう。電子タバコ、ニコチンパッチ、ガムや薬など、禁煙に役立つ様々なオプションもあります。

ストレッチ – 目覚めた時に腕を伸ばすだけでは不十分です。背中を強くしなやかに保つには、背中にも十分なストレッチが必要です。

解決策:背中を伸ばす時は、6つの異なる方向に動かすことが重要です。前後への屈曲と左右に体を倒す運動に加え、両方向へ大きく回転させましょう。座ったままでも、横になった状態でも、立ってでもできます。好きな方法で行なって下さい。ストレッチ運動の詳細については、ストレッチのメリットに関する記事をご覧下さい。

解決策のいずれか、もしくは全てがきっと役に立つはずです。重要な体の部位でありながら、最も見過ごされている背中を丈夫でバランスの取れた状態に保てば、アクティブで幸せな生活を長く支える柱となるでしょう。

  1. https://mayfieldclinic.com/pe-anatspine.htm []
  2. https://www.acatoday.org/Patients/What-is-Chiropractic/Back-Pain-Facts-and-Statistics []
  3. https://www.spine-health.com/blog/modern-spine-ailment-text-neck []

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