2021年
9月
9日
|
23:21
Europe/Amsterdam

ポジティブなストレス

読書時間: 3 分

ストレスには良い面も

私たちの多くはストレスは悪いものだと信じて育ってきました。それは、ストレスという言葉が何か悪いことに関連して使われているからです。いわゆる「負のストレス」は、自分ではどうしようもない、対処できないという不快な感覚を伴い、恐怖や不安、心身の病気の原因となることがあります。

一方で、健康なメンタルの維持に有益な働きをするストレスがあることはご存知でしょうか。ある種のストレスに対して肯定的な反応が生じることは、研究で示されています。 1 私たちの体は、生きていくために実にうまくできています。特定の状況下では、ストレスは良い刺激になります。ストレスがかかるからこそ、プレッシャーのかかる状況でも課題に対処し、タスクを完了できます。ストレスが闘争・逃走反応の引き金となって、やらなければならないことに対処したり、危害を加える可能性のあるものから逃れたりすることができるのです。

ネガティブなストレスをポジティブなストレス(ユーストレス)に変える

私たちの体はポジティブなストレス(ユーストレスと呼ばれる)をすぐさま認識できるとは限りません。よって、ストレスのかかる状況に対する最初の反応はとてもポジティブなものではない場合があります。しかしながら、ポジティブなストレスとネガティブなストレスが同時に発生すると、ポジティブなストレスの方が優位に立つことを示した研究が報告されています。 2 ストレスに前向きに対処しようとする際に影響する要因として、他にも以下のようなものがあります。

• 希望と期待に満ちた信念を保ち、人生を前向きにとらえること
• 自分を信じ、ストレスに対処する能力に自信を持つ
• 自分の最悪の状態ではなく、最高の状態に期待を寄せる
• ストレスのある状況に対処したら報酬が得られることを予期する

ユーストレスの効果

ユーストレス、つまり良いストレスには、ネガティブな気分ではなく、爽快な気分に導く作用があります。ストレスのかかる状況が終われば、体内のストレス系のシステムも終了して、健康的な精神状態に戻ります。ポジティブなストレスは、プレッシャーに負けずに効率よく仕事をこなすのに役立ちます。例えば、スポーツ競技に出場するとき、テストや試験を受けるとき、結婚、休暇、引っ越しの計画を立てるとき、重要な締め切りに間に合わせるときなどに有益に働きます。

ポジティブなストレスを味方につける

ストレスを前向きに捉えて心身の健康状態を良好に保つためには、定期的に自己チェックをしてストレス度を把握することが重要です。「自分はできる」「大丈夫、問題ない」と自分に言い聞かせ、前向きでいることの大切さを忘れないようにしましょう。辛い時には、少しだけ時間を作って瞑想や深呼吸をしてみて下さい。

また、整理整頓は、押し潰されそうな気持ちになったり、プラスのストレスをマイナスに変えてしまうようなミスをしたりするのを防ぐためにも必要です。整理整頓が苦手な方は、やらなければならないことを重要度順にリストアップしてみましょう。重要な作業をしているときは必ずバックアップかコピーを取り、紛失した場合のストレスを防ぎましょう。ストレスが精神的に影響していると感じたなら、セルフケアに重点を置いて計画を立てて下さい。定期的に休憩をとってリラックスすること、睡眠や休息の時間は必ず確保することも忘れずに。時には仕事から離れて新鮮な空気を吸ったり、軽い運動をしたりするのも必要です。健康的でバランスのとれた食生活をして、たっぷりと水を飲んで水分補給をすることも重要です。

このようにして、ポジティブなストレスをうまく利用すれば、不安感に悩むことなく仕事をこなせるようになるでしょう。

  1. https://www.healthline.com/health/benefits-of-stress-you-didnt-know-about []
  2. http://www.idosi.org/wjms/11(2)14/6.pdf []

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