2024年
1月
3日
|
14:54
Europe/Amsterdam

フラワーセラピーとは

読書時間: 4 分

心を癒し全体的な健やかさを手助けするとして近年注目を浴びているセラピーはたくさんあります。マインドフルネスに自然体験、アロマセラピー、美の鑑賞、マニュアルセラピー、クラフトセラピー、実用性を兼ね備えたアート、創作表現…ところが、個人的にやってみようとすると、いずれもかなりの時間と労力が必要になりそうです。このようなセラピーのあらゆるコンセプトがひとつにまとまったものがあったらいいのに、と思いませんか。実は解決策があります。それはフラワーセラピーと呼ばれる、花を使ったマインドフルネスの実践方法です。ではフラワーセラピーとはどんなものなのでしょうか。

フラワーセラピーのやり方

一口にフラワーセラピーと言っても具体的な方法は様々です。花屋さんやスーパーの花売り場でしばし立ち止まる、あるいは、庭に出たり通りを歩いたりして見つけた花の香りを楽しむ、といった単純かつ受動的なものもあれば、花束を作ったりフラワーアレンジメントに挑戦したり、と積極的に手を動かすものもあります。でも、基本はとてもシンプルです。

フラワーセラピーのメリット

フラワーセラピーは、やることリストやデジタル機器の画面から離れるためにも適しています。手を動かしながら意識を一点に集中していると、今現在の瞬間に満たされます。

マインドフルネスというと難しく考えてしまうかも知れません。雑多な思考をまとめることなどできるのか、あるいは、瞑想に必要な30分の休憩時間は確保できるのか、と疑問に思う人もいれば、瞑想というものに違和感があって、つい敬遠してしまうという人もいることでしょう。

自然を活用したセラピー

ある種のセラピーや予防策として、自然に浸ることを「処方」する医師がいることはご存じでしょうか。スカンジナビアで昔から言われてきた「悪いのは天気ではなくて服装だ」の心で、季節を問わず自然の中で過ごすことは広く推奨されています。また、患者のためにウェルネス・ガーデンを設置している病院もあります。「森林浴」の人気もすっかり定着したようです。それは、自然には人を癒す力があるからです。自然の力に英気を養われるのが健康に良いことに疑いの余地はありません。1

身近な範囲で自然に親しむことは可能です。自然というと、遠くまで出かけないと触れられないものという印象を持っている人は少なくありません。でも、ほんの少しの草花も自然と考えれば、毎日の暮らしの中で自然が身近に感じられます。フラワーセラピーはその手軽さが魅力と言えます。

花に秘められた力

花の香りのすばらしさも忘れてはいけません。初夏に外を歩いていて、ラベンダーやジャスミンの香りが漂ってきたときのこと、あるいはクリスマスツリー用に木を買ってきて家じゅうに緑の香りが広がったときのことを思い出してみて下さい。花や緑をはじめ、自然がもたらす様々な芳香が刺激となって、脳内では快適さを誘発する物質が分泌されます。エッセンシャルオイルが大人気となったのも、自宅や職場に手軽によい香りを取り入れて、気持ちを穏やかにすることができるからです。2

花を生けるのも、花屋に立ち寄るのも、花壇で過ごすのも、それだけでアロマセラピーと同様の効果が得られます。

香りのすばらしさはもちろんのこと、花は見た目の美しさも楽しめます。人間は美しいものに惹かれます。私たちは視覚的な喜びを知っています。旅に出たなら、少し奮発して眺めの良い部屋に泊まりましょう。美術館を訪れれば、何時間でも美しいものを堪能していられます。家の中は快適なだけなく、見た目の印象も好みに仕上げたいと思うでしょう。そして自分の体形や髪、肌をお手入れして、似合う服を着て魅力を引き立てるのも、美しくありたいという気持ちがあるからです。花を見て美しい色合いを愛でるひと時は心地よいものです。

フラワーセラピーで創造性を発揮

フラワーアレンジメントや生け花は手作業です。オフィスワークに従事している人の多くは座って画面を見ている時間が長く、雑多なコミュニケーションで頭の中がいっぱいです。だからこそ、手作業で何かを創り出すことに意味があるのです。余暇に趣味として日曜大工をしたり、マニュアルセラピーがわりに料理を楽しんだりしている人もいるでしょう。花を生けるのもまた創造的な活動であり、作品は自宅や職場に飾って楽しめます。

創造性は人の暮らしに必要なものです。趣味で絵を描くのも、ピアノの演奏をするのも素敵ですが、実際には学校を卒業して以来創作活動らしきものからはすっかり遠ざかっている、という人が多いようです。それでも、フラワーセラピーを機に、内なる美的創造力が引き出されるかも知れません。まずは気に入った色の花を買ってくるか摘んできましょう。そして、適切な大きさの花瓶かグラスを用意し、手触りや色、形などをじっくりと楽しみながら生けてみて下さい。単純なようですが、それだけで究極のウェルビーイングにつながるセラピーになります。

関連記事

その他のウェルネストピック