2024年
1月
2日
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15:17
Europe/Amsterdam

フィットネスの11要素

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フィットネスというと、活発に運動できるかできないか、のいずれかを問われているような印象があります。

ところがフィットネスの科学はもっと奥深く、人が身体的に健康であるためには、いくつもの要素が必要であることが分かっています。例えば、強い筋肉をたくさんつけているけれど柔軟性がない人を、フィットネスで不完全とは言えないでしょう。 1 逆に、小柄な体操選手は、つま先に簡単に手が届き、後屈もできますが、先に例にあげた人ほどの重量を持ち上げることはできないでしょう。この場合もまた、それを理由にフィットネスに欠けるとは言えません。総合的なフィットネスを判断するには、異なる状況下で体がどのように機能するかを見極めることが望まれます。

全体的なアプローチでフィットネスに取り組む

フィットネスには様々な分野があり、各々の構成要素やパーツに目を向けると総合的な理解に役立ちます。また、スポーツの種類や、その中での役割などによって求められる要件が異なることも知っておくとよいでしょう。例えばサッカーなら、ゴールキーパーは、ストライカーとは異なる分野の技術を必要とします。

健康に関連するフィットネスの要素

フィットネス向上に身体の健康面から取り組むことのできる要素には、以下のようなものがあります。

身体組成:体を構成する脂肪、筋肉、骨の割合は、フィットネスのレベルに直接影響を及ぼします。例えば、走り高跳びの選手は、体を上へ引き上げるために無駄のない身体構成をしていますが、砲丸投げの選手は、より遠くに投げる力を生み出すために、強固な身体構成を必要とします。

心肺機能の持久力:ある種のスポーツでは極めて高度な心肺機能が要求されます。例えば、長距離走は、心臓、肺、血液が長時間にわたって酸素をいかに効率的に運搬できるかにかかっています。

柔軟性:関節の可動域はフィットネスの一指標であり、スポーツによっては他のスポーツよりも優れた柔軟性が求められます。例えば、体操選手はビリヤード選手よりも高い柔軟性を必要とします。

筋持久力:これは、筋肉が疲れ切ってしまうことなくパフォーマンスを続けられる能力です。好例として挙げられるスポーツはローイングです。ローイング選手は、同じ動作を繰り返し長時間続けることが必要です。

筋力:筋力とは、筋肉に負荷がかかったときにどれだけの力を発揮できるかを示す指標です。例えば、レスリングはバドミントンよりも筋力が必要です。

スキルに関連するフィットネスの要素

多くのスポーツはそれぞれに異なるスキルを必要とします。例えば、体操選手には、スピード、筋力、持久力、敏捷性、柔軟性、パワーなどいずれも高度な能力が求められます。 2 スキルに関連する要素は、練習によって向上できます。

正確さ:ボクシングのように特定のポイントを狙うスポーツでは、一定の方向に動きをコントロールすることが重要です。

敏捷性:テニスやスカッシュなどのスポーツでは、瞬発力そのものよりも、素早い方向転換をコントロールする能力が重要になります。

バランス:体をコントロールして安定させる能力は、多くのスポーツで必要とされます。また、完全な静止状態を保ち、銃声とともに走り出す短距離走者のような場合にも、フィットネスの良い指標となります。

コーディネーション:2つ以上の体の部位を同時に使って様々な動作を協調させて行うことのできる能力です。例えば、バスケットボールのドリブルでは、足で移動しながら、ボールを離さないよう手でコントロールする必要があります。

パワー:パワーは、やり投げや円盤投げなどのスポーツにおいて、フィットネスの重要な指標となります。これらのスポーツでは、腕を前方に素早く振って大きな力を加えることで、用具の飛距離というパフォーマンスが実現します。

スピード:徒競走など、A地点からB地点まで素早く移動することが求められるスポーツでは、フィットネスの指標としてスピードがよく用いられます。

フィットネスをこのような要素に分解していくと、単に誰が一番か、という問題ではないことが分かります。フィットネスは、人によっても、スポーツの種類によっても異なります。大切なのは、他人と比較するのではなく、自分の能力を基準にすることです。自分のレベルが今どの程度であっても、フィットネスの11要素は頑張って練習すれば向上させることができます。

  1. http://www.professorjohnthoday.com/downloads/Fitness.pdf []
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3325636/ []