2021年
10月
12日
|
00:43
Europe/Amsterdam

ジェームス・エリントンと作る レジリエンス・アクションプラン

読書時間: 5 分

レジリエンスとは何か、ご存知ですか。

ライフステージのどの段階にいようと、人生の浮き沈みに遭遇することは避けられません。困難な出来事に対処し立ち直る能力、それがレジリエンスです。感情の起伏やストレス度の変化を経験せずに済ませることはできませんが、心の痛みや苦しみをどのように乗り越えるかによって、大きな違いが生まれます。

オリンピック選手のジェームス・エリントンは、日頃からレジリエンスの鍛錬に取り組んでいます。オートバイの大事故の後、車いすでの生活を余儀なくされた彼は、キャリアだけでなく、人生そのものまでも脅かされるような衝撃を受けたはずですが、そのような状況にもかかわらず、彼はレジリエンスと決意をもってエリートレベルの競技に復帰を果たしました。

レジリエンスで最も重要なのは、時間をかけて積み重ねていくことです。一夜にして得られるものでも、すぐに忘れてしまえることでもありません。また、時間だけでなく、精神的な集中力と強さ、そして支え合える好ましい人々の輪が必要です。それはスポーツで果敢な目標を達成するのと似ています。途中で挫折しそうになったとしても、最終的には自分がどれだけ先へ進めたかを振り返って、無上の喜びを味わえるでしょう。

今回はレジリエンスを向上させるためのヒントをいくつかご紹介します。ジェームズ・エリントンが伴走しますので、自分なりのレジリエンス・アクションプランを作ってみましょう。

エネルギー補給と体調管理

レジリエンスを求められる状況に対処するために、自分を大切にすることで心身を整えておきましょう。自分の体の声に耳を傾け、自分のニーズや感情に注意を向けることが大切です。自分が楽しめて、リラックスできるアクティビティをするようにして下さい。エクササイズ、マインドフルネス、読書など、何でも構いません。好きな方法で自分時間を過ごすのです。

ジェームズが選んだアクション:

優先事項は常に変化するので、自分のために時間を使うことは後回しになりがちです。私の場合は、エクササイズ、散策、家族や友人と会うなど、毎日何か自分が気持ちよく過ごせることをするよう心がけています。また、自分が興味のあるテーマについて考えを巡らせることで、ストレスを感じることなくリラックスした状態を保つことができます。

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ポジティブとネガティブの両方を見るように脳を鍛える

脳は非常に複雑です。ポジティブな要素はネガティブな部分よりも見つけにくいことがあります。それはなぜかというと、幸福感をもたらす脳内化学物質(ドーパミン、セロトニン、オキシトシン)は生存に必要なときにわずかな時間分泌されるのみで、すぐに代謝されてしまうからです。幸せをもたらす化学物質の利点を得るには、分泌を刺激するような行動をとることが重要です。

幸福感へ向かって行こうとすると、脳は自動的に、ニーズを満たす上で障壁となるものを探知します。その障壁を乗り越えると、次の障壁を見つけ、越えようとします。このネガティブな要因を探知しようとする本質的な思考回路を変える、シンプルな方法があります。1分間でポジティブなことを探す練習を1日3回、45日間続けて、ポジティブな回路を作るのです。そうすることで、脳にポジティブな習慣ができます。同時に、協力的なサポートサークルやワークライフバランスなど、ポジティブな思考回路に影響する外的要因にも目を向けましょう。

ジェームズが選んだアクション:

私は、ネガティブなエネルギーや自分の中のネガティブな考えとは距離を置き、物事の見方は自分で作るものだと自分に言い聞かせています。とはいえ、慢心に陥らないためには、何らかの形でネガティブなもの(批判)に触れる必要もあるので、その意義を認識することで対処しています。

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学び続けることがメンタルの筋肉のストレッチに

体に筋肉をつけるには、時間をかけてしっかりと体を動かし、適切な食事をして根気よく続ける必要があります。そうしないと筋肉が弱くなっていくことは、誰もが理解しています。精神的な強さについてもこれと同じことが言えます。思考を変えるのも一つの方法ですが、感情をポジティブにコントロールするための練習も必要です。

簡単なものから複雑なものまで様々な方法がありますが、まずは簡単なエクササイズをひとつ決めて、定期的に実行しましょう。楽器を習うなど新しいことに挑戦するのでも、脳トレやパズルを完成させるのでも構いません。それができたら、精神面を強くするために、メンタルの筋肉増強に役立つ新しい何かを毎日の生活に取り入れていきましょう。

ジェームズが選んだアクション:

私は、考えさせられるような刺激的な会話や、知らない人と語り合うことが好きです。それは、家族や友人との快適なコミュニケーションの範囲を超えて、異なる意見を聞いたり、洞察に満ちた議論をしたりできるからです。

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社会との関わりを維持する

友人、家族、同僚など、身近にしっかりとした人間関係のネットワークがあることは重要です。社会的な繋がりは、危機に直面したとき自分を守る要素となります。誰かに状況を話すだけで悩みが解消されるわけではなくとも、自分の気持ちを打ち明け、サポートしてもらい、ポジティブなフィードバックを受け、問題解決の可能性を考えることができるでしょう。

今日ではテクノロジーの力で、世界中の人々といつでも簡単に繋がることができます。直接対面できなくても接点は持てるのです。人生は慌ただしく、何かあっても一人で抱え込んでしまいがちですが、他の人と一緒に過ごす時間を設けることも大切です。きっと心に良い影響があるはずです。

ジェームズが選んだアクション:

私は、家族や親しい友人とのコミュニケーションを大切にしています。落ち込んだときにはそれがポジティブな影響をもたらしてくれることを知っているからです。同様に、アスリート仲間とのつながりも、困難な状況に対処する上で重要です。彼らも似たような気持ちを経験していて、共感や励ましが得られることがあります。

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目標設定

目標を設定する際に最も重要なのは、現実的であることです。これは問題が発生した場合でも同様です。何かに圧倒されそうになったときは、まず一歩引いて、目の前の状況をシンプルに把握することに努めましょう。続いて、あらゆる解決策を検討し、それを管理可能なステップに分割して下さい。

大局的な視点も大切ですが、小さめのステップを複数設けることで、自分の進歩を確かめながら進んでいくことができます。随時、自分の成果を認めることは大切です。

ジェームズが選んだアクション:

私は常にメインの目標を意識していますが、それを達成するためには、複数のマイルストーンに分けて考えるのが良いと思っています。そうすることで、不要なプレッシャーを感じることなく、小さな成功を収めるたびに達成感を感じ、目標の達成に向けて現実的に取り組むことができます。

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内省から再起動、再構築へ

この先どんな困難が待ち受けているかは分かりませんが、人生を前向きに進めていくレジリエンスを駆使することは、身体的にも、個人的にも、職業的にも、感情的にも、社会的にも重要です。目標を考える際には、これまでに学び得たことをこれからのチャンスに生かすことが重要です。上記のヒントを参考に、レジリエンスを向上させていきましょう。内省、再起動、再構築という3つの重要な過程を意識して実践することをおすすめします。

自分なりのレジリエンス・アクションプランを楽しく作れたなら何よりです。ジェームズのアクションプランの行く先は、ソーシャルメディアでご覧いただけます。ぜひフォローして下さい。また、投稿する時はタグ付けをお忘れなく。

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