2024年
1月
11日
|
15:05
Europe/Amsterdam

オーバートレーニング

読書時間: 3 分

過剰な運動とは

パフォーマンスの向上を目指して積極的にトレーニングをする人なら誰でも、オーバートレーニングのリスクを負う可能性があります。特に目標を達成しようと、負荷を増やしてトレーニングに励んでいる人は要注意です。負荷の大きな運動は、休息と回復の期間を経て初めて有効になるということは、研究で明らかになっています。 1

どの程度から運動量が過剰になるかを考えるにあたっては、自分の体力レベルに合った目標を設定することから始めましょう。一度にすべてを達成しようとするのではなく、一つ一つの段階的に目標達成に至るよう、現実的な計画を立てて下さい。

オーバートレーニング症候群(OTS)とは

過度なトレーニングには、オーバーリーチングとオーバートレーニングの2つのタイプがあります。 2

通常よりも強い筋肉痛は、オーバーリーチング状態を示していると考えられます。これは、アスリートがハードな運動の間に十分な回復時間を確保できていない場合に起こるもので、運動後数日間持続します。極端なオーバーリーチングは、オーバートレーニングに至ります。 1

負荷と回復のバランスが崩れると、体はそれに対応できなくなります。これはプロのアスリートに限らず、体力レベルの異なるあらゆる人に当てはまります。実は、運動を始めたばかりの人にもよく見られます。

オーバートレーニング症候群 1 の様々な原因、ストレス要因:

• 適度に回復できないままトレーニングの負荷を増やす
• 単調なトレーニング – 同じ筋群ばかり使う
• 競技会出場が多過ぎる(スポーツの種類による)
• よく眠れない
• 私生活を含め、ストレスがある

鍛え過ぎかどうか気になったら?オーバートレーニングの6つの兆候

ハードなトレーニングをやり過ぎていないか気になる方は、オーバートレーニングの兆候に注意しましょう。トレーニングと生活習慣の両面で、以下のようなサインを見逃さないようにして下さい。

筋肉や関節の痛み

痛みやこわばり、重く感じるなどはいずれも、かなりの運動をした証拠ですが、通常の範囲の運動による痛みと、過剰な運動による過度の痛みは違います。 3 運動後の痛みが続くのは、通常24~48時間程度です。よって、72時間以上不快感が続くようなら、やり過ぎてしまったと考えてよいでしょう。生活や仕事など日常生活の妨げとなるような痛みが生じるのは、正常ではありません。

オーバーユース(使い過ぎ)による怪我も、明らかに運動のし過ぎです。トレーニングによる怪我 4 で関節や筋肉を傷めてしまうのは、行き過ぎた運動で損傷が繰り返されるからです。

パフォーマンスの低下

過剰な運動は、期待にそぐわない逆効果をもたらすことがあります。トレーニングをすればするほどパフォーマンスが悪くなっていく場合は、体が限界に達したことが直結しています。1

集中力の低下

オーバートレーニングの症状は、身体面だけではなく、日常生活の他の面に現れることがあります。運動のし過ぎと考えられる症状に精神的な集中力の欠如や落ち着きのなさが含まれることは、研究により示されています。1

疲労倦怠5

疲れがとれず倦怠感が続く場合は、運動のし過ぎを示す警告かも知れません。激しい運動の後に疲れ切ってしまうのは普通のことです。回復期を過ぎても疲労が持続するような状態を避けるには、運動後に十分な休息をとる必要があります。

睡眠障害

過剰な運動の結果として、睡眠障害が起こることがあります。専門誌(BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation)に掲載された研究では、オーバートレーニングと判断された対象者の100%に睡眠の質の悪さが認められています。 6

食欲不振・体重減少

トレーニングの後はお腹が空きませんか。それは蓄えておいたカロリーが消費されたからであり、当然のことです。食欲が落ち、体重が減るのがオーバートレーニング症候群の症状である可能性は、スポーツヘルスの研究で実証されています。1

体の声に耳を傾ける – オーバートレーニング症候群を防ぐために

オーバートレーニング症候群のリスクを低減する予防策には以下のような方法があります。1

• ジムでも屋外でも自宅でも、エクササイズの合間に休息の時間を取る
• きちんと休息する日を予定に組み入れ、体の回復に必要な時間を確保する
• 自分の調子や気分に合わせて、トレーニングの量や強度を加減する
• 自分のトレーニングの負荷に応じて充分なカロリーが摂取できる食事をする
• しっかりと水を補給する
• 睡眠を確保する
• 偏りのない運動であらゆる筋肉群を使う

トレーニングからの回復に役立つ栄養を

健康的な食習慣を守ることは、体を休めることと同じく、セルフケアの一環です。体力づくりの目標を健康的な方法で達成するためには、運動に応じた適切な栄養を摂取する必要があります。水分補給を怠らず、複合炭水化物とタンパク質、ミネラル、ビタミン、必須栄養素がバランスよく摂取できる食事を心がけ、炭水化物でエネルギーを補充しましょう。筋肉の回復にはアミノ酸7 とタンパク質が必要であり、タンパク質が筋肉量の成長と維持に貢献することは研究で明らかになっています。タンパク質の必要量は個人差があり、運動量にも大きく左右されます。

  1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3435910/ [] [] [] [] [] [] []
  2. https://www.hss.edu/conditions_overtraining.asp []
  3. https://www.kidney.org/content/understanding-muscle-soreness-%E2%80%93-how-much-too-much []
  4. https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/overuse-injury/art-20045875 []
  5. https://journals.lww.com/acsm-healthfitness/fulltext/2015/03000/overreaching_overtraining__more_is_not_always.4.aspx []
  6. https://bmcsportsscimedrehabil.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13102-019-0132-x []
  7. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6212987/ []

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