2020年
12月
4日
|
14:19
Europe/Amsterdam

10代の子供たちを髄膜炎から守るには

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健康的な食生活と丈夫な免疫系で髄膜炎を予防

髄膜炎は脳と脊髄を守る髄膜に炎症が生じる深刻な病気で、ウイルスによるものと細菌によるものがあります。細菌性髄膜炎は命に関わることがあります。ウイルス性髄膜炎は通常そこまでではありませんが、長期にわたって後遺症が残ることがあります。この病気を予防するため、あるいはかかったとしても重症化しないようにするために、免疫系を健康に保つ方法をいくつかご紹介します。

10代の子供たちの髄膜炎のリスクが高い理由

ウイルス性髄膜炎にかかるほとんどが5歳未満の子供であるのに対し、細菌性髄膜炎は高校生や大学生といった20歳未満の子供に最もよく見られます。1 彼らのリスクが高いのは髄膜炎の感染の仕方と関係があります。髄膜炎は密な接触や長時間にわたる接触で、飛沫を介して感染します。キスやくしゃみ、咳などや、学生寮や部活の合宿のような生活環境が感染リスクを高めます。髄膜炎の予防はこの年代の子供たちにとってとても重要なことなのです。

髄膜炎の治療と予防法

髄膜炎の典型的な症状には発熱、手足の冷え、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢などがあります。乳幼児の場合は、機嫌が悪い、元気がないというだけのこともあります。

細菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎とでは治療も異なりますが、診断方法は同じです。細菌性髄膜炎は抗生物質、点滴、酸素吸入が必要となるため、通常は入院して治療します。ウイルス性髄膜炎の場合は時間の経過とともに良くなることが多く、在宅で治療するケースも多く見られます。

髄膜炎は予防接種が可能ですが、2 それ以外にも子供を守るために親ができることがあります。他の子供も使うおもちゃを口に入れさせない、食べ物や飲み物をシェアしない、手洗いを励行する、などです。

強い免疫系と健康的な食生活で髄膜炎を予防

子供たちに自分の体をケアする方法を教えることは髄膜炎に限らず多くの病気の予防に役立ちます。健康はまず体の内側から。健康的でバランスの取れた食生活が免疫力アップにつながることは研究でも示されています。3   これは初めて自炊生活をスタートする大学生にとっては特に重要なことです。きちんと食べていなかったり、必要な微量栄養素がとれていなかったりするかも知れません。健康維持に役立つビタミンAやビタミンD、抗酸化物質やオメガ3系脂肪酸が欠乏しているかも知れません。4

子供の食事に抗酸化物質を

抗酸化物質は新鮮な野菜や果物に含まれています。5 柑橘系の果物、赤いパプリカ、緑の葉物野菜、ブロッコリー、キーウィに多く含まれるビタミンCは免疫系の健康に役立ちます。

炎症を抑えるオメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸であるDHAとEPAは正常な血圧を維持し、免疫系を保護したり髄膜炎の症状でもある炎症を抑えたりする効果があります。6  DHAとEPAが多く含まれる食品にはサケ、マグロ、マスなどの脂の多い魚やムール貝、牡蠣、植物油、亜麻仁油などがあります。

プロバイオティクス

子供たちを髄膜炎から守るには強い免疫力が鍵となりますが、複数の研究で、プロバイオティクスが免疫系の強化に効果があることが分かっています。7 プロバイオティクスの摂取源としてはヨーグルト、テンペ、ザワークラウトなどが挙げられます。 8

ビタミンB6で髄膜炎を予防

2014年の『Experimental Biology and Medicine』に発表された研究論文によると、ビタミンB6が免疫系と神経系をサポートし、髄膜炎を発症しにくくするということです。9 ビタミンB6は豚肉、鶏肉、魚、卵、全粒シリアル、玄米に多く含まれています。健康的な免疫系で髄膜炎を予防するために、これらの食品をしっかりと食べましょう。

ファストフードや糖分を避けましょう

健康に悪い食事は体内の炎症につながります。10 炎症は髄膜炎の大きな要因です。子供たちにジャンクフードや砂糖の害や、自分を守るためにヘルシーな食べ物を選ぶことの大切さを教えましょう。

睡眠と運動も健康的なライフスタイルの一部です。子供たちが十分に運動しよく眠るようにすることはとても大切です。11

髄膜炎の感染拡大を防ぐには

髄膜炎のような症状があったり、髄膜炎患者と接触したりしたときはすぐに医者に連絡するべきですが、その前にまず感染を避けるためにできることをしましょう。以下に挙げるような衛生習慣を続けることが、髄膜炎を起こすウイルスや細菌に感染しないようにするための最善の策となります。

  • 人に会った後、食事の前、トイレの後には20秒かけて手を洗いましょう。ショッピングやレストランに出かけたり、公共交通機関を利用したりした後にも手を洗うのが賢明です。そのままの手で顔や口元に触れると、感染が成立しやすくなります。
  • 食べ物や飲み物、リップクリーム、歯ブラシなどをシェアしないこと。
  • 相手が病気の時や学校や大学で髄膜炎が流行っているときは、キスやハグなどしないように教えましょう。
  • 咳やくしゃみが出そうな時は、ひじの辺りで口と鼻を覆い(あるいはティッシュを使用し)、すぐに手を洗う習慣を身につけて下さい。
  1. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/meningitis/symptoms-causes/syc-20350508 []
  2. https://www.cdc.gov/vaccines/vpd/mening/public/index.html []
  3. https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/nutrition-and-immunity/ []
  4. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2906676/ []
  5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27881064/ []
  6. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3257651/ []
  7. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4006993/ []
  8. https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/how-to-get-more-probiotics []
  9. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24903161/ []
  10. https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/foods-that-fight-inflammation []
  11. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30920354/ []

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