2024年
1月
5日
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16:14
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オメガ3脂肪酸

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オメガ3脂肪酸とは

オメガ3脂肪酸は一般には「体に良い脂肪酸」として馴染みのあるものになっているようです。オメガ3脂肪酸は人間が生きていく上で必要不可欠な単価または多価の不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸とも呼ばれています。なかでも、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α-リノレン酸(ALA)の3つが特に重要であることはご存知の方も多いでしょう。これらの不飽和脂肪酸は体内で作れないため、食べ物から摂取しなければなりません。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い

脂肪酸は飽和度などの違いにより分類されます。「悪い」飽和脂肪酸と「良い」不飽和脂肪酸という表現がよく使われていますが、この「良い」と「悪い」の区別がどこから来ているのか、考えてみたことはありますか。

飽和脂肪酸は、食事から得られるグルコースやタンパク質のような成分を使って体内で作ることができるため、人間にとっては必須のものではありません。1 私たちは肉やソーセージなどの動物性食品だけでなく、ココナッツ、ココナッツオイル、パーム油などの植物性食品からも飽和脂肪を摂取しています。1

不飽和脂肪酸は、コレステロール値に好ましい影響を与えることから「良い脂肪」と呼ばれています。血中コレステロール値を正常に保つには、飽和脂肪酸の摂取量を減らすのが有益です。優れた不飽和脂肪酸は、脂肪分の多い魚や植物油、ナッツ類など、魚介類や植物性食品から摂取できます。1

オメガ3脂肪酸の種類

α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の3種の必須脂肪酸は、由来によりさらに分類できます。α-リノレン酸(ALA)は植物由来のオメガ3脂肪酸です。エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は海産物に由来します。

植物性オメガ3の摂取源

オメガ3脂肪酸、ALAは主に以下のような食品から摂取できます。2

  • 亜麻仁油、菜種油、大豆油などの植物油
  • クルミ、亜麻仁(リンシード)、チアシードなどのナッツ・種子類

オメガ3脂肪酸を含む海産物

海産物由来のオメガ3脂肪酸(EPAとDHA)は主に以下のような食品に含まれています。2

  • 魚介類、特にサケ、サバ、マグロ、ニシン、イワシなど冷水域でとれる脂肪分の多い魚

もうひとつの必須脂肪酸:オメガ6

オメガ3脂肪酸だけでなく、オメガ6脂肪酸もまた、私たちの体に欠かせない不飽和脂肪酸です。多価不飽和脂肪酸のリノール酸(LA)は、オメガ6脂肪酸に属しています。

オメガ6の摂取源

オメガ6脂肪酸は主に以下のような食品から摂取できます。3

  • ヒマワリ油、紅花油、コーン油、大豆油などの植物油
  • クルミ、ヒマワリの種、カボチャの種などの種子類、シリアル

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取ができる食事を

ドイツ栄養学会(DGE)は、若者と成人に対し、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸を5:1の割合で摂取することを推奨しています。より正確には、1日あたりの摂取エネルギーの2.5%をオメガ6脂肪酸リノール酸(LA)から、0.5%をオメガ3脂肪酸α-リノレン酸(ALA)から得るのが望ましい、とされています。4

それでは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを保ちながら健康的な食生活を維持するにはどうすればよいのでしょうか。健康的な栄養摂取は多様性に富んだ食事で成り立ちます。必須脂肪酸のバランスを保つために、食事にちょっとした工夫をしましょう。

  • ドイツ栄養学会(DGE)では、魚を食べられるなら週に1~2回は魚料理にすることが勧められています。5 脂肪分の豊富な魚はオメガ3脂肪酸の優れた摂取源となります。
  • 魚を食べる代わりに、あるいは魚を食べるのと同じように、調理に魚油を使用するという方法もあります。
  • 魚を食べないベジタリアンの方は、亜麻仁油を食事に加えるとよいでしょう。
  • 脂肪分の多い食品は、できるだけ食物繊維の豊富な野菜や果物に置き換えるようにしましょう。血中コレステロール値を正常に保つには、飽和脂肪酸の摂取量を減らすのが有益です。
  • 動物由来の脂肪(バター、肉、卵)はしばしば、ナッツ、種子、野菜ペーストなどに含まれる植物性の脂肪で代用が可能です。

オメガ3脂肪酸の作用

オメガ3脂肪酸は、心血管系や目、視力に好ましい影響を与えます。妊娠中の胎児から生後12ヶ月までの乳児では、オメガ3脂肪酸は発育に特に重要な役割を果たします。オメガ3がどのように役立つのか、さらに見ていきましょう。

循環器系での働き

オメガ3脂肪酸には、心臓血管系の機能をサポートするなど、多くのメリットをもたらすものがあります。必須脂肪酸のα-リノレン酸(ALA)は、血中コレステロール値を正常に保つうえで役立ちます。海産物由来のオメガ3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取もまた心臓の正常な働きに貢献し、正常な血圧の維持に役立ちます。また、オメガ3脂肪酸は血中脂肪値にも好ましい影響を及ぼします。EPAとDHAは、血液中の中性脂肪を正常に保つ手助けをします。

目と視力

オメガ3脂肪酸には、目や視力に良いものもあります。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、正常な視力の維持に役立ちます。

オメガ3の摂取源となる食品を積極的に食べると、目や視力に良いだけでなく、乳児や胎児の正常な発達にも役立ちます。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、胎児や成長期の子にとって貴重なオメガ3です。母親がドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取すると、胎児や母乳育児中の乳児の脳や目の正常な発達に寄与します。

脳の発達

胎児の発達には、ある種のオメガ3脂肪酸の確保が重要であると考えられています。母親が必須脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取すると、胎児や母乳育児中の乳児の正常な脳の発達に貢献することができます。

乳児期に寄与

生後12ヶ月までの乳児については、不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取が正常な眼の発育に寄与することが知られています。また、α-リノレン酸(ALA)やリノール酸(LA)などの必須脂肪酸は、子の正常な成長と発達に必要です。

健康的な食生活の柱となる必須脂肪酸

食生活にちょっとした改善を加えるだけでも、必須脂肪酸を自然に取り込み、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを整えることができます。オメガ3とオメガ6の摂取源となるヘルシーな食品を積極的に取り入れましょう。

  1. https://www.gesundheit.gv.at/leben/ernaehrung/info/fette [] [] []
  2. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Omega3FattyAcids-Consumer/ [] []
  3. https://www.health.harvard.edu/newsletter_article/no-need-to-avoid-healthy-omega-6-fats []
  4. https://www.dge.de/wissenschaft/referenzwerte/fett/ []
  5. https://www.dge.de/ernaehrungspraxis/vollwertige-ernaehrung/10-regeln-der-dge/ []

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