2024年
1月
31日
|
18:40
Europe/Amsterdam

旬のものを食べる

読書時間: 3 分

私たちは年間を通じてたくさんの野菜や果物を入手できますが、自然が収穫をもたらす時、それが最適な旬であることを忘れがちです。つまり、自然が一番の食べ時を知っている、ということです。1 季節の果物や野菜は必要な栄養の効率的な摂取をサポートするだけでなく、味もよりおいしいのです。旬の野菜や果物を日常的に食事で摂るべき理由はたくさんありますが、その一部をご紹介しましょう。

風味が優れている

これはマーケティング戦略ではありません。季節の食材の味がはるかに優れているのには、根本的な理由があります。旬の果物や野菜は、より新鮮で甘く、完熟しています。それは、地面もしくは樹上で自然に熟した後、適切な時期に収穫されるため、より優れた風味が保たれるからです。季節外れでも手に入る食べ物は早めに収穫されており、輸送中の腐敗を防ぐために冷蔵処理が施されています。冷蔵庫は保存に便利ですが、風味には大敵であり、冷やすとその完熟した甘味が損なわれてしまいます。また、製品として目的地に到着してから、たいていは人工的に追熱させるために熱を与えてやる必要があります。これにより、大幅に風味が落ち、採れたてでしか得られないおいしい甘さがなくなってしまいます。季節外れの食べ物は、旬のものと比較して粉っぽく、繊維が多くなり、風味が薄い感じさえします。

高い栄養価が得られる

熟した旬の果物や野菜は風味が良いだけでなく、栄養価もはるかに高くなっています。収穫日に近いほど栄養素はより多く保たれていますが、長期間保存されると多くの栄養素が減っていきます。特にビタミンC、葉酸、カロテンは収穫後すぐに食べないと急速に減少します。規模の大きな業者では、季節外れの果物や野菜の在庫を保有していることがあります。それは、ガス処理や放射線照射により細菌を殺し、ワックスを施して保存することで新鮮な外観を保ち、貯蔵寿命を延ばすことができるからです。言うまでもなく、これは健康に有益ではありません。

体の要求に応える

季節の食べ物を摂ることは、体の自然な治癒力と浄化力のサポートにつながります。例えば冬には、風邪やインフルエンザのウイルスから体を守ってくれるビタミンCを多く含む柑橘類が手に入ります。気候の変化に備えて免疫系を強化するには、ビタミンAを含むいろいろな種類のカボチャが利用できます。つまり、自然は私たちに旬の野菜や果物を適時に提供してくれるのです。季節の変わり目はいつもウイルス性疾患にかかりやすい時期です。野生のニンニク、チャイブ、リークはいずれも天然の抗生物質を含んでおり、春の到来に合わせて食べるのが最適です。対照的に、夏には日焼けによるダメージから守ってくれるベータカロテンや他のカロテノイドを含む核果類がたくさん出回ります。

環境と地域経済を支援する

地元で栽培された果物や野菜をより積極的に購入すれば、産業用や商業用に拡大、開発を求めてくる財政的な圧力から、小さな地元の農地を守ることができます。農地を保護することは、動物、昆虫や鳥類に生息する場所を提供することにもなります。2 食料の輸送距離を少なくすれば、化石燃料の消費量が減り、二酸化炭素排出量と温室効果ガス排出量が減る、という「フード・マイレージ」の観点からも好ましい選択と言えるでしょう。さらに、地元の農家は大きな企業のように輸送と流通にコストをかけることができません。それでも、地産地消によって、より多くの利益を維持することができます。地元の小規模な事業者のより一層の成功を支援しましょう。

栄養素が豊富な様々な種類の果物と野菜を摂ることは健康に有益です。そして、加工食品や人工着色料、人工香味料に頼らずに済む、というメリットもあります。これら全てのメリットを最大限に活かすためにも、買い物リストの一番上にはいつも、旬の果物と野菜を書いておくようにしましょう。

  1. https://www.bbcgoodfood.com/seasonal-calendar []
  2. https://www.gdrc.org/uem/footprints/food-miles.html []

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