2021年
7月
20日
|
12:12
Europe/Amsterdam

サステナブルな暮らしが心身の健康に及ぼす影響とは

読書時間: 4 分

サステナブルな暮らしの基本は、自分の行動が周囲の環境にどう影響するかを考え、地球にかかる負荷を減らすためにできることを実行することです。

生活の中で持続可能性に配慮することが環境に与える影響は明らかですが、一方で、そんな生活が本人の精神的・生理的な健康の向上にも役立つことは、あまり知られていないかも知れません。

サステナブルな暮らしと人々のウェルネスには明確な関連性があります。ここでは、より持続可能なライフスタイルを実践することでウェルビーイングを向上する方法をいくつかご紹介します。

身体的なウェルビーイング

持続可能な生活は、環境だけでなく、私たちの身体的な健康にも寄与します。例えば、移動に車ではなく徒歩か自転車を選択した場合、大気中に放出される汚染物質の量を減らすことができるだけでなく、移動中に自分自身の体力づくりができます。つまり、二酸化炭素排出量の削減に貢献することと、身体的な健康を向上させることが両立するのです。

もちろん、誰もが徒歩や自転車で移動できるわけではありません。目的地が遠かったり、健康上の理由で移動が困難だったりといった事情はあるでしょう。そのような場合でも、二酸化炭素排出量の削減と身体的健康の増進を同時に実現できる方法があります。そのひとつは、食生活を見直すことです。植物性食品は動物性食品に比べて二酸化炭素排出量が少ないため、栄養価の高い果物や野菜を中心にした菜食に近い食べ方をすることで、環境保護に貢献できるだけでなく、体に必要なミネラル、ビタミン、タンパク質が摂取できます。

社会的なウェルビーイング

持続可能なライフスタイルを実現するには、広汎な社会的規模での努力も必要です。友人や家族と情報やアイデアを共有したり、ボランティア活動をしたり、地元のコミュニティでつながりを築いたりすることもあるでしょう。同じような目標や関心を持つ人と出会うことで、社会的な交流の輪やサポートネットワークが自然と広がっていきます。

精神的なウェルビーイング

生きていれば、どこかでストレスを感じたり、経験したりするものです。研究によると、ストレスに対処する最善の方法のひとつは、自然と触れ合うことだそうです。 1 サステナブルな暮らしを通じて周囲の環境の質を維持することで、自然が身近な存在になります。郊外で自転車に乗ったり、森の中を散歩したり、ピクニックの用意をして野原に出かけ、夏の風を感じたりしてみましょう。次の休暇にキャンプはいかがでしょうか。電気、ホテル、テレビ、車などに頼らず、真に自然に浸ることができます。

環境的なウェルビーイング

環境的ウェルビーイングとは、自分の周囲の環境に配慮することです。職場や家、学校、あるいはもっと範囲を広げて地球のことを考えてみましょう。環境は自分の心身の健康にどのような影響を及ぼしているでしょうか。埃をかぶって不安を煽るような雑然としたものに囲まれたりしていませんか。散らかっている状態がストレスや不安、悩みの原因になるとことは研究で示されています。2 整理整頓は、より健康的な精神状態をもたらしてくれます。サステナブルな暮らしを目指している人の多くは、ミニマリスト的なライフスタイルを選択しています。必要なものだけを購入するという選択をすれば、ストレスのかからないすっきりとした環境を楽しむことができます。

知性的なウェルビーイング

サステナブルな暮らしをするなら、知らないことを放置しておくわけにはいきません。自分の行動が起こす波紋について、理解を深めていく必要があります。持続可能性に関する記事を読むなど、自主的に時間と労力を割いて学ぶ体験は、知的な面の幸福度を高めるのに役立ちます。コミュニティや個人レベルで情報に基づいた意思決定を行う方法や、自分を取り巻く環境にプラスの変化をもたらす方法などを知る機会にも恵まれるでしょう。生活の中で持続可能性に配慮する簡単な方法はたくさんあります。地域のリサイクル活動など利用できるものについて知っておきましょう。

経済的なウェルビーイング

人生で最もストレスを感じることのひとつは、お金の心配です。幸いなことに、サステナブルな行動の多くは、お金の節約につながります。例えば、蛇口の水漏れを修理したり、ドアの下に隙間風よけを設置したりして家の中を少しずつ変えていくことで、暖房の電気代や水を節約できるようになります。

また、必要なものを全て新品で買う必要はないということも重要です。例えば、洋服がそうです。服を買いに出かける前に、チャリティーショップを覗いてみたり、友人に借りたりしても良いのです。また、プラスチックの使用量を減らすことも大きな効果が期待できます。外出の際は水筒に水を入れて持っていくと、飲み物を買う必要がなくなります。その分、プラスチックの無駄遣いを減らせるだけでなく、水分補給のような基本的なニーズにお金をかけずに済むので、出費も抑えられます。

サステナブルな暮らし方は、ライフスタイルのあらゆる面に適用することができます。少しずつでも、思い切りでも、自分の納得できる範囲で心がけましょう。一人ひとりの行動にはそれほど大きな影響力がないように感じられるかも知れませんが、皆がひとつでも小さな変化を起こせば、全体として大きなインパクトを生むことができます。

  1. https://www.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev-environ-012312-110838 []
  2. https://www1.racgp.org.au/newsgp/clinical/what-does-clutter-do-to-your-brain-and-body []

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